聖夜のつどい ほぼ全文 その5

これで最後です。

レン「どうした?具合でも悪いのかい?」
ドイル「いえ・・・・特に問題はありません。」
レン「そうか。」
ファ「あまり口に合わなかったかい?」
ドイル「いえ、先ほど食べてきた」
ファ「あぁ・・・」
レン「ンフフフフ」
ファ「食事会だというのに、それでは仕方ないか。」
ドイル「そうですね。」
レン「とはいっても、毎回量が多くて」
ファ「まあ確かに。」
太宰「ニールがいれば、毒を盛られていたかな。」
レン「それはシャレになってないと思いますよ。」
レン「自分から悪く言われたくないと言ってる割には、自分で品位を落とすような発言をするんですね。」

ドイル「ファーブル様は今何をチェックされてるんですか?」
ファ「ノイマンから連絡が来ないか気にしていてね。」
ドイル「そうですね、確かに。」
太宰「もう無理だろう。間に合わない」
ファ「せめて、善行発表に間に合ってくれればと思ったんだが。」
レン「善行発表に間に合わない人がいるなんて、僕が参加した会では見たことがないね。無事だといいんだがな。もしも何かあったのかと思うと、心配だよ。」
ファ「今言っても詮のない事だ。」
レン「そうですね。」

太宰「待っても仕方があるまい。」

ファ「そういえばハイドン、強硬派がイコンの候補を紛失したそうじゃないか。」
ハイドン「現在調査中です。」
ファ「もしも、お手伝いできることがあったら何でも言いたまえ。いつでも手を貸すよ。」
ハイドン「はい、ありがとうございます。」
メリー「気にすることはありませんよ。確かにイコンは重要ですが、一番重要なのはそこに込められた気持ちですから。ところでファーブル、英雄の証はどうなりましたか?」
ファ「は。鋭意調査中です。」 
メリー「よろしくお願いいたします。」

ファ「さて、みなさん、デザートはもうよいですか。」
ファ「それでは食事も楽しんだことですし、いよいよ善行発表移りましょうか。太宰、準備は大丈夫ですか?」
太宰「ああ、問題ない。」
ファ「それでは、お願いします。」
太宰「では。」

太宰「僕は前回に引き続き、UMレベルのセンシティブアンプを用いた騒音に対するせ、制御を執行しました。
今回は新しく、キトサンを使用した世界最薄の絆創膏型フィルムで耳の上部に癒着させ、骨伝導を利用してみました。ターゲットは夜間騒ぎまわる若者、センシティブアンプは周囲の音に反応して、12%から24%まで増幅させます。騒がしく愚かな若者の将来をかんがみると、とても良い制裁になったと考えます。前回を含め合計で56人の若者を、若者の未来、私は、正しました。」 
一同「私は、正しました。」
ファ「太宰、ありがとうございました。それではレンブラント、続けてお願いできるかな。」
レン「はい。」

レン「より良い世界を形作るために必要なものは何か?それは、より良い世界の外見。つまり美しい街並みです。優良な精神は、優良な生活のなかに芽吹くとは有名な言葉、良好な生活には良好な環境が必要不可欠です。美しい光の中にこそ、美しい影が宿り、完全な場面を生み出すのです。しかし悲しい事に、街々には猥雑で低俗な広告や、美の何たるかを理解していないネオンであふれかえっている。醜い光の中には醜い影が宿り、それがゆがんだ精神を生み出し、人々を狂わせていく。私は、そう考えています。そこで、私は近くの町に出て、目に毒なネオンの電源を切断し、また、醜い看板の上に美しい絵画のポスターを貼り付け、それぞれに、『醜い光には、醜い魂が宿る』と警句の書かれたカードを残しました。これらの報告は、本来人々が享受がね、享受ができたはずの美しい街並みや、夜の光を損なわせるものであり、罰せられ撤去されるべきなのです。今回の行動によって、きっと広告主の方々は過ちに気付き改悛することでしょう。そして、町の人々は醜い街並みの一部から解放され、より正しい精神に近づくことができるのです。美しい光の中で正しい精神が、正しい精神の中でより美しい思想が芽生えることを願い、醜い思想が生まれる原因の一つを、私は、正しました。」
一同「私は、正しました。」

ファ「レンブラント、どうもありがとう。 それではみなさんお待ちかね、ドイルの発表です。ドイル、よろしくお願いします。」
ドイル「はい。」

ドイル「では、えぇ・・・『多くの本に触れる機会に貢献しました。』近頃の社会では多忙を理由に、人々が本を読まなくなり、読書量が減少しつつあります。知識や教養のない人が増えることになり、忌むべき事態です。先日、私は、近所の図書館で、推理小説を読む人を見かけました。確かに、推理小説は面白いのですが、図書館は知の宝庫であり、限りある時間の中で、より多くの知識を得るためにもその本ばかりに集中するのはもったいありません。そこで私は、登場人物欄に犯人の名前と犯行の動機、トリックの答えを書き込み、読んだ人がすぐに次の本に移れるようにしました。図書館の本を長時間独占することも問題でしたので、是正することができ、嬉しく思います。 私は、正しました。」
一同「私は、正しました。」

ファ「ドイルどうもありがとう。いやいや、3人とも素晴らしい発表だった。それでは、そろそろ締めましょうか。メリー」
メリー「はい。」

メリー「みなさん、本日はありがとうございました。皆さんお気をつけてお帰りください。ドイルは少しお話がありますので残ってください。」
ドイル「はい。」

メリー「それでは、清き子供たちに、善き眠りが訪れることを願って。」
一同「清き子供たちに、善き眠りが訪れることを願って。」
ドイルとメリーを残し、各自席を立つ。

メリー「ドイル?」 ドイル「はい。」
メリー「貴方の発表は真実ではありませんでしたね?」 
ドイル「と申しますと?」
メリー「貴方のした発表は本当に貴方がしたことですか?」
ドイル「はい、もちろん。」
メリー「いえ・・・・真実でなくても良いのです。」(メリー、席を立つ)
メリー「どうぞこれをお受け取りください。」
(ドイル、席を立ってから。)ドイル「はい。」
メリー「後日、必ず感想をお伝えください。追って、ご連絡いたします。」
メリー、退場。ドイルは、メリーがこちらを向かずにドアを抜けるのを確認してからもやしくんさんとしてカメラ前へ移動。
もやしくんさん「メリー・・・見えますかねこれ。えーっと。 ネウマン?neumann.2-d.jp/sksaga/。 見えないのかな?
これもらいました。」
(もやしくんさん白い封筒に黒いクリスマスツリーの書かれた黒い表紙の紙を入れる。)
ファ「ドイル、」 ドイル「はい。」
ファ「車の準備が出来ました。」
ファ「こちらはもう不要ですね、消しましょうか・・・それでは、荷物を持って」
ドイル、ファーブルの後を追って退場。


  • 最終更新:2014-08-08 20:03:41

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